AやCNAME、MX、TXTなど、DNSレコードの種類について解説します。
DNSレコードには、AやAAAA、CNAME、MX、TXT、NS、PTR、DS、SRVなどの種類があります。
その中でも、良く使うのはAとCNAME、MX、TXT4つです。その他のレコードはレンタルサーバーを利用する上では気にする必要がほとんどありません。
それぞれのレコードの概要は次の通りです。
- 「Aレコード」は、ドメインとIPアドレスを関連づける
- 「CNAMEレコード」は、ドメインとFQDNを関連づける
- 「MXレコード」は、ドメインとメールの届け先を関連づける
- 「TXTレコード」は、テキスト情報を提供します
それぞれについて詳しく説明する前に、ドメインの呼び方について説明しておきます。
ドメインの呼び方
ドメインは図にあるように右から順に情報が付加されていきます。
トップレベルドメイン
ドメインの一番右の部分をトップレベルドメインといいます。.comや.jp、.netなどが該当します。.jpであれば、日本が管理するドメインに所属しているということがいえます。
第2レベルドメイン
トップレベルドメインの次にくるものを、第2レベルドメインといいます。第2レベルドメインの次にくるものは第3ドメインといい、数が増えていきます。
ショートドメイン
あなたが取得可能な階層までのドメインをショートドメインといいます。.comであれば、xxxxx.comと第2レベルドメインまでで取得が可能です。このトップレベルドメインと第2レベルドメインを合わせたものをショートドメインといいます。
サブドメイン
ショートドメインにさらに階層を加えたものを、サブドメインといいます。
FQDN
FQDNは、「Fully Qualified Domain Name」の略となります。日本語的には、「絶対ドメイン名」とも言います。レコードとして登録されている、ショートドメインやサブドメインのことを表していると考えればわかりやすいでしょう。
「Aレコード」は、ドメインとIPアドレスを関連づける
「Aレコード」はエーレコードと読みます。AはAddressのAです。
ドメインに対応するIPアドレスを教えてあげるのが役割になります。ブラウザにドメインを入力すると、このAレコードに設定されたIPアドレスのサーバに接続されます。
独自ドメインを取得し、レンタルサーバーを契約している人は、AレコードにレンタルサーバーのIPアドレスを記載することになります。
Aレコードは取得したドメインそのままのショートドメインで登録することが可能です(図の上段)。また、wwwなどをつけた、サブドメインとして登録することも可能です。
「CNAMEレコード」は、ドメインとFQDNを関連づける
「CNAMEレコード」は、シーネームと読みます。CはCanonicalの略です。
Aレコードと同じく、ドメインに対応するIPアドレスを教えてあげるのが役割となりますが、指定の仕方がIPアドレスではなく、Aレコードに登録されているFQDNになるところが異なります。
はてなブログなどで、独自ドメインを利用するときは、CNAMEレコードに対して、はてなブログから割り当てられるFQDNを指定することになります。
CNAMEレコードには、Aレコードとして存在しないFQDNを登録することはできません。また、Aレコードのようにショートドメインの登録ができません。
CNAMEを使うと変更の手間が省ける
IPアドレスが変更になるとき、CNAMEを使っていると手間を軽減させることができます。
少しわかりにくいので例をあげて説明します。次の5つのレコードを登録したい時を考えてみます。
- www1.server-99.com A 192.168.10.102
- www2.server-99.com A 192.168.10.102
- www3.server-99.com A 192.168.10.102
- www4.server-99.com A 192.168.10.102
- www5.server-99.com A 192.168.10.102
その場合、www1~www5まで5つのレコードを登録する必要があります。
5つ全てをAレコードで登録する場合どうでしょう?5つのサブドメインに同じIPアドレスを登録していきます。もし、IPアドレスが変更になった場合、5つのレコード全てを変更して上げる必要があります。とても面倒ですね。
CNAMEを使うと変更するレコードを1つにすることができます。
- www1.server-99.com A 192.168.10.102
- www2.server-99.com CNAME www1.server-99.com
- www3.server-99.com CNAME www1.server-99.com
- www4.server-99.com CNAME www1.server-99.com
- www5.server-99.com CNAME www1.server-99.com
変更が必要なときに、手間が省けて漏れも減ると思いませんか?
はてなブログで独自ドメインを利用するときに、CNAMEを使う理由もここにあります。もしIPアドレスを指定していると、はてなの都合でIPアドレスが変わってしまった場合に、全利用ユーザーの設定変更が必要になってしまいます。しかし、CNAMEを使うことで、登録元のFQDNを変更するだけで対応が完了するのです。
「MXレコード」は、ドメインとメールの届け先を関連づける
「MXレコード」は、エムエックスレコードと読みます。MXは、MailExchangerの略です。
ドメインに対するメールの届け先を教えてあげるのが役割になります。設定はIPアドレスではなく、CNAMEと同様に、Aレコード登録済みのFQDNを指定します。MXレコードが省略されている場合は、該当するFQDNのAレコードの設定先にメールが届けられます。
ウェブサーバーとメールサーバーを別々のサーバーで管理したい場合は、MXレコードを利用します。
メールサーバを冗長化し、優先順位を付けることも可能
メールサーバーが停止した場合も、メールの継続利用が可能なように、複数のメールサーバーを登録することがあります。
その場合は、「優先」の項目に数字を記載することで優先順位を決めていきます。数字が若いほど優先順位が高くなります。
「TXTレコード」は、テキスト情報を提供します
「TXTレコード」は、テキストレコードと読みます。TXTは、TEXTの略です。
テキスト情報を提供する役割となります。身近な用途では、Googleが提供する、Search Console、通称サチコへサイトを登録するさいに、サイトの所有権を確認するために、利用されています。
基本的に、ドメインのレコードを修正できるのは、所有者だけとなるので、Google指定のテキスト情報を「TXTレコード」へ登録することで、所有者の証明ができるのです。
google-site-verification=xxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx
また、所有者の証明に関連して、メールを送信する場合に正規のサーバから送信されていることを証明するために、SPFレコードとして利用することもあります。
SPFレコードは次のような書式であらわします。
“v=spf1 ip4:192.168.10.100 include:server-99.com -all“
まとめ
いかがでしたか?ドメインについての知識は深まったでしょうか?
ドメイン設定を間違えてしまうと、サイトが見れなくなってしまうほどの影響があるものです。正しく理解して、間違いのないように気を付けましょう。