法人で自社サイトを運営する際、どのレンタルサーバーを選ぶかで、サイトの表示速度や安定性、さらにセキュリティレベルに大きな差が生まれます。とくに法人向けのサーバーは料金も高めですが、その分サポートやセキュリティが手厚い傾向があり、ビジネス上のリスク軽減が期待できます。
本記事では、インフラエンジニアとして多くのサーバー環境を扱ってきた経験をもとに、料金・スペック・サポート面などを総合評価したおすすめランキングを作成しました。ぜひ貴社にぴったりのサーバー選びの参考にしてください。
目次
1. 法人向けサーバーを選ぶポイント
まずは、法人サイト運営で押さえておきたいサーバー選びの5つの要素を確認しておきましょう。
(1) 安定性・稼働率
- 稼働率99.99% 以上を保証しているか
- SLA(サービス品質保証制度) があるか
- サーバーダウン時の対応(冗長構成、自動切り替えなど)
(2) セキュリティ対策
- WAF(Web Application Firewall) や改ざん検知、ウイルススキャンが標準搭載か
- SSL(TLS) 証明書は無料で使えるか、あるいは有料でも高品質か
(3) 料金・コスト
- 法人向けプランの月額はおおむね1,500円~数千円
- 長期契約で割引があるか、初期費用が無料になるキャンペーンがあるか
(4) サポート体制
- 24時間365日の対応か、平日のみか
- 電話サポート・チャットサポート・メールサポート の有無
- 導入支援(WordPress移行、設定代行)などのサポート内容
(5) 容量・転送量・スペック
- ディスク容量:300GB~500GB以上、NVMeなど高速ストレージの採用か
- 転送量無制限プランがあるか
- 複数サイト運営(マルチドメイン数無制限)に対応しているか
2. インフラエンジニアが厳選!おすすめランキングTOP5
ここからは、筆者の経験や各社の公表データを総合評価したおすすめランキングを紹介します。比較表を載せた後で、それぞれの特徴を解説します。
2-1. おすすめ比較表
サーバー名 | 初期費用 | 月額料金 (税込) | 容量 | 転送量 | サポート | 特徴 |
---|---|---|---|---|---|---|
1. Xserverビジネス | ~16,500円(キャンペーンで無料の場合も) | 3,762円~ | 700GB~ | 無制限 | 電話/メール/チャット | 高速&セキュリティ充実。改ざん検知・無料設定代行。 |
2. ConoHa WINGビジネス | 0円 | 3,630円~ | 1,000GB~ | 99.99%以上保証 | 電話/メール | 稼働率保証、操作画面がわかりやすく自動バックアップ付 |
3. CPI レンタルサーバー | ~101,200円 (専用プラン等) | 4,840円~ | 300GB~ | 無制限 | 電話(24h対応もオプション) | 老舗の法人向け。高耐久&サポート拡張で安心。 |
4. さくらのレンタルサーバ ビジネス | 0円~ | 1,980円~ | 200GB~ | 無制限 | メール/電話 | 国内老舗。比較的安価にビジネスプランを提供。 |
5. ロリポップ!エンタープライズ | 0円 | 2,200円~ | 1.2TB | 無制限 | メール/電話 (平日) | 大容量×安定性重視。高いコスパが特徴。 |
※価格・プランは2024年12月最新情報。キャンペーン等により変動する場合があります。
2-2. ランキング解説
1位. Xserverビジネス
- 理由: 独自の高速環境(NVMe + nginx採用 + WAF搭載)で表示速度とセキュリティが両立。サポートの評判が高く、法人利用実績も豊富。改ざん検知や無料設定代行など、初心者から上級者までカバー。
2位. ConoHa WINGビジネス
- 理由: 稼働率99.99%保証&ビジネス向けプランはコスパが良い。管理画面がわかりやすく、自動バックアップ無料など運用負荷を減らせる機能が充実。キャンペーン時には特に安価で導入可能。
3位. CPI レンタルサーバー
- 理由: 老舗のKDDIウェブコミュニケーションズが提供。大規模法人や官公庁など高セキュリティ&サポート要件の厳しい利用実績が豊富。初期費用が高めだが、24時間電話サポートなど手厚いサポートが魅力。
4位. さくらのレンタルサーバ ビジネス
- 理由: さくらインターネットが提供する法人向けプラン。個人向けプランからの移行も容易。国内老舗の安定感とリーズナブルな料金がポイント。
5位. ロリポップ!エンタープライズ
- 理由: “安い”イメージのロリポップだが、エンタープライズプランは転送量無制限&大容量。コスパを追求しながらも法人利用に耐えうる安定性が確保されている。
3. 法人サーバーと個人向けサーバーの違い
3-1. 稼働率・セキュリティへの配慮
- 法人向けは**高稼働率保証(99.99%)**や、SLA(サービスレベル合意) が設定される場合が多い。
- WAFや改ざん検知など、セキュリティ機能が標準搭載されていることも多い。
3-2. サポート体制
- 法人向けは電話サポートが24時間365日だったりビジネス時間帯に特化していたりと手厚い。
- 個人向けはメールサポートのみなどコストを抑えたプランが多い。
3-3. 料金設定
- 法人向けプランの月額費用は1,500円~数千円が主流。
- 個人向けは数百円~1,000円前後で、機能やリソースに制限がある。
3-4. 機能面
- 法人向けはマルチドメイン無制限、メールアカウント無制限など、大規模運営を想定している。
- 個人向けは「同時アクセス数やDB数が制限されがち」。
ポイント: 「法人=必ずしも法人プランが必要」ではありませんが、ミッションクリティカルなWebサイトや顧客の個人情報を扱う場合は、法人サーバーの高いセキュリティとサポートを優先するほうが安心です。
4. 導入手順と注意点
4-1. 導入手順
- 公式サイトでアカウント作成&希望プラン契約
- ドメイン取得(あるいは既存ドメインの移管設定)
- SSL(TLS)導入 + WAF/改ざん検知などのセキュリティ設定
- WordPressなどCMSのインストール(無料設定代行を活用してもOK)
- 動作確認・サイト公開・必要に応じて会社メール設定
4-2. 注意点
- サーバー移転: 既存サイトの移行時は、ダウンタイムやメールの切り替えに注意。移転代行があるサーバーを選ぶと負担が軽減。
- 契約期間: 割引率やキャンペーン適用期間の確認。3年契約で月額が大きく下がるケースも多い。
- バックアップ確認: 自動バックアップの保存期間や復旧手順を事前に把握しておく。
5. よくある質問(FAQ)
Q1. 「法人向けプランじゃなくても使えますか?」
- A: 可能ですが、企業サイトやECサイトなどビジネス上のリスクが大きい場合は、高い稼働率とセキュリティ、手厚いサポートを備えた法人向けがおすすめです。
Q2. 「無料のレンタルサーバーを法人で使うのはアリ?」
- A: ほぼ非推奨。広告表示、セキュリティやバックアップの制限、サポート無しなどが多く、本番運用にはリスクが大きいです。
Q3. 「オンプレ(自社サーバー)との違いは?」
- A: レンタルサーバーは低コスト&保守が楽。オンプレはカスタマイズ性や自社管理が可能ですが、サーバー障害の際は自力で復旧が必要。リソースに余裕がなければレンタルサーバーやクラウドが無難です。
Q4. 「WordPress移行が不安です…。」
- A: 各社が無料移行サポートや設定代行を提供している場合があります。複数社から見積りをとり、サポート体制を比較しましょう。
6. まとめ
- 料金・スペック・サポートをバランス良く評価すると、「Xserverビジネス」 が総合1位。
- 「ConoHa WINGビジネス」 は管理画面の操作性や稼働率保証が魅力、さらにコスト面も優秀。
- セキュリティ重視や大規模サイトを運用するなら、「CPIレンタルサーバー」 や専用サーバープランを検討すると安心。
最後に
法人サイトでは1秒の表示速度遅延や一時的なサーバーダウンがビジネスにダイレクトに影響します。
コストを抑えたい気持ちはわかりますが、確かなセキュリティと十分なリソース、そして手厚いサポートを得られるサーバーを選ぶのが長期的なコスパの向上につながるでしょう。ぜひこの記事を参考に、最適なサーバーを見つけていただければ幸いです。
この記事でおすすめした法人向けサーバーはこちら
- 「高セキュリティ+高速表示」が必要なら → Xserver ビジネス公式サイト
- 「法人運用の実績で選びたい」なら → CPI レンタルサーバー公式サイト
- 「コストと使い勝手のバランス重視」なら → ConoHa WING ビジネス公式サイト
(※掲載情報は執筆時点のもので、料金やプラン内容は変わる可能性があります。最新情報は必ず各社公式サイトを確認ください。)